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年金制度が破綻している!

http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9693819481E0E4E2E7998DE0E5E2E1E0E2E3E29F9FEAE2E2E3

 日経新聞の上記記事を読んでください。これは重大な問題です。しかし、この記事は事実を隠蔽し、本質を完全に履き違えています。それはどういう事なのか。

 実は、これを理解することこそ、日本を含めた世界のマスメディアの真実を隠蔽して報道しない姿勢の追及になることなのです。

 国の最も基幹をなす年金制度は厚生年金です。国民年金もありますが、これらは大きな意味で厚生年金に含まれており、年金制度の一元化で既に制度化されています。

 実は、厚生年金基金の積み立て不足が問題になっていますが、真実は厚生年金本体の財源不足の方が深刻な問題なのです。厚生年金本体の給付は賦課方式といって、毎年掛けられる掛け金をそのまま給付に廻しています。しかし、厚生年金基金は、事前積立方式を取っていて、事前に給付に必要な金額を定められた方式に則って計算して積み立てているので、直ちに給付に支障きたすことはないのです。この日経新聞の記事にあるように、積み立てた積立金を取り崩して給付に充てている、という表現は、実際は正しくありません。給付はすべて積立金から支出しているのであり、止むを得ず積立金を取り崩している訳ではないのです。

 しかし、国の厚生年金本体はそうではありません。積立金は別途存在し、一部給付に充てるものではありますが、制度としては毎年国民から支払われる掛け金をそのまま給付に充てる仕組みが原則です。

 ここで、考えて下さい。今現在国民の給与所得が年々減少しています。これは、給与を支払う民間の企業等の利益が減少、あるいは極端な場合、赤字に転落しているからです。これで、まともな賃金が払える筈がありません。デフレが怖い、というのはこういう所に現れているのです。国の厚生年金制度は完全に破綻しかかっています。その根本の原因が賃金所得の減少なのです。

 最近、政府・国会議員等が勝手な事を言っています。年金や子ども手当を支給する財源が底を尽いているから消費税を上げるしか手が無い、と。しかし、これ程無策で思慮のない政策はないのです。増税は最後の手段なのです。まずやるべきは、誰でも分るように所得を増やすことなのです。取得を増やさなければ税収は見込めません。極端な事を言えば、国民の所得がゼロになれば誰も所得税や年金掛け金を払う人がいなくなります(年金掛け金は所得額に応じて源泉徴収されます)。まず最初に税があるのではなく、税を支払う源泉、つまり所得が無ければならないのです。誰でもこんな理屈は承知している筈です。しかし、いまの民主党政権はその事が分っていません。総理大臣自らが税金逃れをやっている位ですから何をかいわんや、です。

 私がデフレが怖いと言ったのはこういう事なのです。既にお金を持っている裕福な人は問題ありません。持っているお金の値打が時と共に上がるのですから。しかし、これから働いて賃金を得る給与所得者はデフレは首を真綿で締められるようなものです。時と共に所得が減少するのですから。

 話しを元に戻しましょう。こういうように年金制度はデフレ経済の下では維持が非常に難しいのです。無理に維持しようとすれば、掛け金を増額するか給付を引き下げるしかありません。日経新聞が言っている積立金を取り崩したり制度そのものに手を加えたりする事は本末転倒なのです。

 政府は直ちにデフレ経済を是正し、国民の所得額を増やす政策に転換するべきです。子ども手当や増税を図るなどは、一番最後の段階で実施すべきです。頼みとするところは国民ではなく自らの政策です。そこのところを民主党政権は履き違え、NHKやマスメディアは政府の提灯持ちでしかなく、国民のほとんどの意識を間違えさせているというべきです。

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コメント

マスコミに登場する評論家や政治家の話を聞くと、出生率について誤解している人が結構いるようですね。

出生率というのは、一組のカップルが産んでいる子供の数ではありません。

出生率というのは、15~49才の女性が一人当たりどれくらい子供を産んでいるかを示す数値ですが、これには独身女性や出産適齢期を過ぎた女性も含まれています。

つまり、15~49才の女性に占める独身者の比率が高かったり、出産適齢期に達しない女性や出産適齢期を過ぎた女性の比率が高いと、出生率は下がってしまうのです。

現在の日本の出生率が低いのは、一人っ子が多いからではなく、独身女性が多いからなのです。既婚女性は大抵2~3人の子供を連れて歩いています。

さて、彼女達に子供手当てを与えたとして、4人目、5人目の子供を作るでしょうか?

まず無理でしょう。そこまで子供が増えると様々な事情(家の広さ、時間的な問題等)で面倒を見切れなくなるからです。

では、なぜ独身女性が増えたか?

理由は簡単で、バブル崩壊後に社会に出た現在の30代を中心とする世代が超就職氷河期に遭遇し、低所得化してしまったからです。

そこそこお金を持っている人は結婚して子供を2~3人産んでいる。それ以外の人は金が無くて子供を産んでいない。

お金を持っている人にさらに「子供手当て」と称してお金を配る。まったくもってワケの分からない政策です。

投稿: ponpon | 2010年3月28日 (日) 15時44分

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