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給与総額、過去最悪の減少!

 今日、時事通信が報じたところでは、厚生労働省が3日発表した6月の毎月勤労統計調査(速報値)によると、現金給与総額(平均賃金)は前年同月比7.1%減の43万620円で、マイナス幅は過去最高となった、ということです。特に、6月は多くの企業で賞与の支給月に当たり、不況で賞与の削減が進んでいることを裏付けているとも報じています。

 この状態は昨年9月からのリーマンショックが尾を引いており、企業業績の悪化が深刻で、いまだ回復の兆しさえない事を如実に示しています。この事は、実は政府の発表以上に深刻な日本経済の窮状を示してもいます。それは、サラリーマンの給与総額が大幅に落ち込むことにより、様々な政府収入も併せて落ち込むからです。まず一番今深刻になっている厚生年金の掛け金が大幅に減少します。これによって急速に年金の収支にアンバランスが生じ、年金財政の破綻を速める恐れが出てきました。なぜなら、給付に必要な年金資金は賦課方式であり、一定の給付資金が必要なのに、それに見合った掛け金収入が確保できないからです。このシステムは医療保険や介護保険にも当てはまり、各種保険制度の急速な財政悪化が懸念されます。

 それに、今日の民報テレビの報道でも、大都市圏の失業率が急速に悪化し、生活保護を申請する世帯が十数倍にも膨れ上がって、自治体財政を圧迫し、悲鳴を上げている、というのです。さらに、昨年から急速に増えてきた雇用保険受給も期限切れになり、生活保護申請の急増に拍車を掛けています。もともと非正規労働者には雇用保険が適用されず、輪をかけて生活困窮世帯の増加を招いているのです。

 政府は急増する失業者対策として雇用調整助成金制度も設けており、これもいつまで制度を維持できるか、時間の問題といえるでしょう。

 こういう時に、一時的な失業手当や定額給付金など一時しのぎにしか過ぎない事は誰が考えても明白です。特に、失業手当は、労働の対価として支払われるものでないだけに、単に個人の収入として懐に入るだけで、生産的でない事が致命的と言えます。

 ここは、政府が考えを変えて、労働の対価として賃金の形で支払われることを真っ先に考えるべきです。ともすると、バラまきだと批判される事の多い公共事業がもっとも効果的なのです。昔は失業対策事業というのがありました。これは、取り敢えず仕事のない人に仕事を与える意味で大変効果的であったのです。それが、一時の高度成長期やバブル期には、労働力不足を生み、また建設事業に絡む汚職の温床となって、徹底的に攻撃されたのが現在の窮状を生むきっかけになっています。これは、必要以上に公共建設工事叩きと、無駄な公共事業のマスコミによるキャンペーンが効いています。

 過ちを改めるに越したことはないのですが、羹(あつもの)に懲(こ)りてなますを吹く、の喩え通り、余りにも公共事業バッシングが過ぎているような気がします。

 公共事業は最も手っ取り早い失業の解決に繋がるのであり、資金が足りないのであれば、政府通貨を発行すべきです。日本は世界で最も富める国であり、どこの国にも借金している訳ではないのです。その点は、借金大国のアメリカとは大違いなのです。

 給与総額の最大の落ち込み、これは放っておくと大変な事態に陥ります。デフレは経済にとって致命的ダメージをもたらします。今度政権を取る政党はどこであれ、マニフェストなどという数枚の紙きれで経済が救える訳ではない事を肝に銘じ、まず経済再生に効果のある政策に取り組まなければ、国土の疲弊と国民の破滅を招きます。

 最後に重大な事を付け加えておきます。それは日本の政府収入を最も大きく支えているのはサラリーマンの源泉徴収所得税である事です。これが、給与総額の落ち込みにより、来年度予算の税収の大幅な減少をもたらし、来年度予算が組めない事態すらも予想される事です。まさにそうなれば、後は政府通貨の発行しか手はありません。ただ、考えようによっては、マネーは政府にとっては借金であり、まだまだアメリカとは違って政府通貨の発行の道は残されているともいえます。

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