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アメリカ巨大銀行の不可解なボーナス支給

 数日前から、不況で苦しむ日本人を尻目に、金融詐欺集団の米巨大銀行グループの不当かつ巨額のボーナス支給が報道されています。その中でも、日本に特に関係の深いシティグループがつい先日ボーナスを支給しました。その額は、我々今の日本人の感覚からすれば途方もない額です。特に幹部クラス4700人に対しては、平均一人当たり100万ドル(9400万円)に上ります。

 その資金はどこから出たのか。連邦政府は巨額の公的資金を注入済みです。また、最近シティはなりふり構わず保有資産の売却を進めています。日本国内の目ぼしいものは大方処理が進んでいます。地方に点在するホテル、商用施設、首都圏のシティホテルなどです。この突然の撤退により、国内にさまざまな問題を引き起こしているのです。

 また、昨日シティが保有していた日興アセットマネジメントを住友信託銀行が1124億という巨費で買収しました。既に日興コーディアル証券、日興シティ信託銀行は売却済みです。

 このようなボーナス支給のカラクリはどうなっているのか。さしづめ日本なら関係法規違反に問われるところです。なぜなら、既に公的資金の投入を受けており、かつ巨額の赤字を計上しているからです。去年9月、投資銀行モルガン・スタンレーに、三菱UFJ銀行が総額9000億もの資金援助を投資という形で支出した時、そのほぼ全額が職員の給与とボーナスに消えたと言われています。その金は三菱以下邦銀が厳しい貸しはがしを日本国内で実施し、中小企業から取り上げた結果なのです。

 しかし、彼らは平気なのです。会計ルールを変えれば済むからです。そういえば、りそなが破綻に追い込まれそうになった時の経緯は、突然の税効果会計ルールの変更でした。この状況は経済学者の菊池英博氏が著書で明らかにしています。また、痴漢冤罪事件で有罪が確定した元慶応大学教授の植草一秀氏も、より以上の詳細な指摘を行った事が冤罪を生む元になっている事は衆目の認めるところです。

 今年に入って、米財務当局は、米国内巨大銀行に対して財務状況を調べる「ストレステスト」を実施しました。その結果はいずれの銀行も問題なし、というものでした。しかし、実態は大変問題が多く、何故そんな結果が出たのか、日本の専門家に問い合わせたところ、「彼らは自分で都合の良いように会計ルールを変更できるのだから、粉飾とは言わない」という実に呆れ返った返事でした。

 日本のアナリストたちは、それを受けて米国銀行は何ら問題はない、と言っていますが、まったくのウソです。しかも巨額のボーナスを支給するため、日本で言えば粉飾に相当する決算内容を発表するのですから、呆れてものも言えません。

 りそな事件の時、日本の金融財政政策をリードしたのは、竹中平蔵氏です。この事を考えれば、時の小泉総理や、刺客となって郵政民営化反対派を追い落とした小泉チルドレンの罪がいかに重いか、今さら指摘するまでもないでしょう。

 アメリカ巨大銀行の落日は近いのです。いま、巨額のボーナスを支給しているのは、持ち逃げに等しい詐欺行為です。しかし、その原因と原資を作っているのは日本である事も理解しなくてはなりません。

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