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ワーキングプアはいなくなったのか

 この表題を選んだのには理由があります。一時NHKを始めマスコミを賑わせた「ワーキングプア」という言葉を、最近まったく耳にしなくなったからです。それでは、ワーキングプアと呼ばれる人達はいなくなったのでしょうか。

 とんでもありません。今では、ワーキングプアとかつて呼ばれた年収200万円前後の人達よりもさらに低収入の人達が、それこそ巷に溢れているのです。さらに低収入の人達とは? そうです。職を失った人達です。

 とかくわれわれは話題がひとわたり行き渡ってしまうと、その時の状況を忘れてしまいがちです。私の手許に2006年8月に刊行された、バーバラ・エーレンライクという女性生物学者のリポート「ニッケル・アンド・ダイムド」 (東洋経済新報社:刊)という本があります。この本の訳者あとがきには、こうあります。「ニッケル・アンド・ダイムド」のニッケルとはアメリカの5セント硬貨、ダイムは10セント硬貨を指す。アンドでつないで『取るに足らない』という形容詞にもなるが、ここでは、動詞の受け身の形で『少しずつの支出がかさんで苦しむ』または『少額の金銭しか与えられない』という意味となる。いずれにしても、『貧困にあえぐ』ということだが、…以下略…とあります。

 かいつまんで言うと、この本の著者で生物学者のはしくれである、バーバラ・エーレンライクという女性が、ひょんないきさつから、アメリカ下層社会の貧困の実情を身を以て体験するレポートを書く破目に陥り、止むなく書いた衝撃の作品です。これが実に生々しくリアルに描かれていて、読む人をして実際にアメリカ下層社会に身を置いているかの如く、切ない生活に身につまされる思いがするのです。

 NHKがこれを見て、「ワーキングプア」という番組を企画したのではないかと思われます。皆さんも機会があれば一度この本を読まれることをお勧めします。

 この本のあと、堤 未果という女性が書いた「ルポ・貧困大国アメリカ」(岩波新書)が2008年1月に出版され、同時にアメリカ在住のノンフィクションライター林 壮一という人が「アメリカ下層教育現場」(光文社新書)という本を出版しています。いずれも大変優れた本で、教育、医療、戦争までの極端な民営化の果て、これは日本の将来の姿か? という問題提起をわれわれに起こさせます。

 アメリカにも、そして日本にも、問題の根本を鋭く突いた人物がいるのです。

 敢えて私がこの問題を取り上げたのは、既に日本はこれ以上の貧困大国に陥ってしまい、未だにそれに気付かない日本人が多いのに驚いているほどなのです。特に、建設現場で働く労働者は、リストラに次ぐリストラで、たくさんの人が職場を離れ、自動車工場の従業員の季節・期間雇用の労働と全く同じ状況に置かれ、今やそれさえ離職の憂き目に遭っているのです。

 このような現実がなぜ起こったのか。私達はそれを身に沁みて考え、来るべき総選挙に臨まなければ、取り返しの付かない、破滅の日本を迎えなければならないのです。

 私に言わせれば、日本人はひとが良すぎます。悪意に満ちたマスコミの口当たりの良いゴマカシに乗せられ、毎日のテレビや新聞に踊らされて、完全に誤った選択をさせられつつあります。今こそ目を覚まさなければいけません。そして自分で考え行動する時が来ているのです。もう「自動操縦」で生きるのは止めようではありませんか。

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