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金融危機はいつから起こったか

世相のウラを読む(226いよいよ世界大恐慌の始まりか!

                           〔2008.1.23

 121日から22日にかけて世界的な株価の暴落が起きた。日本も1日で日経平均が752円もの値下がりとなり、投資家に冷や水を浴びせた。ブッシュ政権は1,500億ドルもの財政的な景気対策を行う事を発表し、FRBは金利を一気に0.75%引き下げ年3.5%にした。だが、この対策はいずれも的外れか、遅きに失しているとの指摘が出始めている。16兆円近い財政支出は過去の例の通り無駄遣いに終わり、米連邦政府の財政破綻とドルの基軸性喪失が起きる可能性が高い。また、FRBの金利引き下げはドル不安を招き、利下げしないと米国内の不況が加速するというディレンマに陥っているためだ。

 この問題の発端は米国のサブプライムローン問題なのは論を俟たないが、実はその裏に存在する米国社会の根深い問題と、サブプライムローンに端を発する広汎な損失の波及が見逃されている。アメリカ人は貯蓄をせずに日本人の二倍以上という広い家を新築し、(発展途上国からすれば)贅の限りを尽くして不動産担保の浪費を重ねてきたのだ。分不相応でも何でも借金が可能な限り、より大きく高い住宅を買えば買うだけ値上がりした時は儲けも大きい。だが、値下がりした時は一気に火を吹く。日本とは違いアメリカのローンは「ノンリコース」と言って借金を返せなくなったら担保の住宅をローンの相手に渡してしまえば、それで借金はチャラになるという契約である。だが、ここでも仕掛けが組んであって、債券化したサブプライムローンには保険が掛けられている。これが「モノライン保険」である。万が一債券化されたローンの格付けがAAAから下がってもAAA格の債券と同じように保険会社が差額を払ってくれるという保険である。これで投資家が安心してローン債券を買った。モノライン保険各社は軒並み自社の自己資本の百倍という巨額の保証契約を引き受けていたのである。実はアメリカ経済は証券化によって支えられている。モノライン保険大手4社の顧客の半分以上はアメリカの公的機関だ。サブプライム問題でモノライン保険会社が次々と白旗を上げ始めると、自治体が債券を発行できなくなる。まさに米国経済はいま将棋倒し状態に陥っている。因みに日本の損保ジャパンはモノライン保険に遅れて参入したため僅かな保険料収入で340億円という巨額の支払い準備金を引き当てざるを得ず、更に2,000億円強という保険契約も残っている。予想を上回る損失とはこういう事をいうのだ。日本は無関係だと言う識者の声が聞きたい。

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金融危機は、2008年9月15日にリーマン・ブラザーズが破綻して、突然起こったと考えている人が多いようですが、それは事実とまったく違います。既に、全米ではサブプライムローン問題が2007年夏ごろから火を噴き上げており、その時既に、今にも金融機関の多くが破綻する恐れが顕在化していたのです。それで、過去のこの記事をはじめに取り上げたのです。

 という事は、経済危機はすでに早くからシグナルを出しており、見る目さえ持っていれば、予測できたはずなのです。この事の教訓は大きいはずなのに、またもや、世界経済は底を打った、という楽観的観測が各国政府やアナリストたちから出ており、その警告の意味を込めて、今回の記事を書きました。

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