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ミクロ経済学とマクロ経済学(1)

 今日の記事は先ほど書いた景気刺激策の財源問題を、もっと深く掘り下げてみる事とします。なぜそんな試みをするかというと、麻生総理を筆頭にして、ほとんどの人がミクロ経済学の罠にはまりこんで、お金というものの存在を、まったく誤った解釈をして捉え続けていると思われるからです。まず最大の誤解。それは、国の経済と個人の家庭の経済との区別がついていない事です。国にとって借金とは、個人の立場で捉えれば、それがお金、という事です。もっと詳しく言えば、お金という存在は、もともと借金の証文のことであり、日銀が発行している紙幣は、正確に言えば借金の証文に過ぎない、という事です。そもそもがここから間違っているのです。

 お金とは、何か。お金とは、日銀が発行した千円や一万円などの紙幣の事だ、と誰でも知っています。ところが、これが借金の証文の事だとは、誰も想像さえした事がないようです。日銀は発行した紙幣の額の大きさに応じてバランスシートを作らなければなりませんが、発行した紙幣、すなわちこれがお金として(資産として)市中で流通するわけで、その額に応じて右側の欄に“負債”として記入しなければなりません。負債とは別な表現をすれば、借金という事です。これが、日本国として、マクロの状態で見た“お金”の正体です。この事は経済学者に言わせると基本中の基本、常識なのです。驚くべきことに、この常識を、多くのプロの学者さえ間違っている事があるのです。本当は、知らない、と言いたいところですが、そう言ってしまうと、余りにも馬鹿にしたようですからそこまではいいません。試しに、学校で、お金とは何ですか、と聞いてみると、分かります。ほとんどの人が、お金とは、お金そのものだ、としか答えられない筈です。

 つまりそれはどういう事を意味するのか。流通しているお金は、借金がゼロになれば、存在しなくなる、つまり、お金そのものがなくなる、という信じ難い現象が起きるのです。多くの人がこの真実を理解していません。それはなぜか。それは、わが国には、多額の借金がある、だから、いずれは返さなくてはならない、子孫に借金を残すようなだらしのない事をしてはいけない、と本気で信じ込まされているからです。これはどうしてかと言うと、お金が借金の証文に過ぎない、という事が理解できていないからです。ただ、それには理由があります。それは、紙幣を発行しているのが、日本銀行という一民間銀行であるからです。正しく言えば、日銀は政府の公的機関ではありません。端的にいえば、法律によって紙幣の発行を許可されているだけです。

 そもそも本来は紙幣を発行できるのは国家だけです。しかし、ほとんどの国は現在紙幣を発行していません。それを国に代わって行っているのは「中央銀行」というところです。日本の紙幣をよく眺めてみてください。どこにも「日本国」と表記されていません。正確には日本国発行とは表記できないのです。ところが、同じお金であるコインには、ちゃんと「日本国」と刻印されています。この事はあまりに当たり前過ぎて誰も気が付かないのです。

 誤解はここからも生じています。日本政府は紙幣を発行していませんから、日銀が発行している「日銀券」を紙幣として流通させています。そして日銀はその手数料を取っているのです。これは日銀券を使用している人すべてが払っているのです。強いていえば、紙幣は日本政府のものではないのです。使用料を払ってわざわざ「日銀券」を使わせてもらっている形なのです。だから、ほとんどの人は、お金が借金の証文である、という認識がないのです。それが、借金はいずれ返さなければならないという誤解に繋がり、膨大な日本政府の借金は子孫にツケを残すことになる、などと意図的に信じ込まされているのです。これは旧大蔵省、今の財務省の策謀です。この理屈を知っていれば、先ほど述べた、経済学者の小野盛司先生の言葉、返さなくも良い借金、という意味が理解できます。

 これから私のブログで、シリーズとしてこの題名で何回かに分けて解説して行きます。

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コメント

おはようございますsun
なぜ一企業にお札の発行権を渡しているのですか?
日本政府が発行すれば良いではないですか。
お金のカラクリをお願いします。
一万人に向かって頑張ってください。aries
奴隷より

投稿: 茅壁優治 | 2009年6月19日 (金) 08時45分

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