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日本最大の自動車メーカーの次期社長がレースに出場した意味

 ここのところ国際的にいやなニュースが氾濫している感がします。その第一がお隣、韓国の前大統領、ノ・ムヒョン氏の死亡ニュースです。既に色んな情報が乱れ飛んでいますが、残された遺書がパソコン上に書かれていた、というのも胡散臭いことの一つです。命を自ら絶とうという覚悟を決めた人が、誰でも偽造可能なパソコンなどに遺書を書き残すだろうか、という疑問。この疑問は当然です。

 その事よりも、私が残念に思い、心を痛め、メディアが真実を書きそうもない事が一つあるのです。それは、トヨタの次期社長ともあろう重責を担うべき人物が、自動車レースに出場して、散々な成績であったという事です。中にはそう目くじらをたてることもないではないか、という人もいるでしょう。それは、レース専門の選手や、普通のレーシングドライブを楽しむ好事家ならいざ知らず、日本を代表する大会社の社長にも就任しようかという人物がやることではありません。

 なぜなら、トヨタ自動車が一体いまどんな経営状況なのか、という事です。下請けはいうに及ばず、数多くの関連企業が、明日の資金繰りにも困窮する状況に追い込まれ、従業員も「派遣切り」や季節雇用の打ち切りなどにより、明日の生活も成り立たない姿にあります。

 それだけではありません。我々のような年金基金の運用責任者は、低迷する自動車関連株に憂慮を持っていて、株価が回復しない事に極めて厳しい目を向けられているのです。昨年度のマイナス20%を超える損失計上は、年金基金制度の将来に暗い影を落としています。そのような大変大きな社会的責任と、企業の経営責任を保有すべき人物が、自分の趣味にしか過ぎない自動車レースにうつつを抜かすなど、もっての他です。

 自動車レースがトヨタの命運を握っているならまだしも、世界の経済環境は既にF1レースを始めとして、さまざまな自動車レースで、多くのメーカーが撤退を決めていると聞きます。当然です。レースは一種のスポーツにしか過ぎません。世界を滅ぼす、3S、という言葉がありますが、それはセックス、スクリーン、スポーツである、のは余りに有名です。

 こういう人物が日本を代表する企業の代表者に就任しようとしている事は、日本の没落を象徴しているかのようです。

 いま日本の自動車産業にいくらの人が働いているか、それを考えれば自動車レースに出場するほど時間も経済的余裕もない、と考えざるを得ません。はっきりいって、モータースポーツは既に役割を終えた世界であり、それに拘っている日本最大の自動車メーカーの次期社長の姿は、日本の自動車産業の将来を暗示しているようにも見えるのは、私一人ではないはずです。

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